公開日:8/17/2020 更新日:3/26/2022
ある日、仕事で自社プロダクトで使用している OSSライセンス調査 を実施しました。
新人の私はOSSについて素人なので、ネットや書籍でOSSライセンスについて調べ勉強しました。
せっかくなので、本記事にOSSライセンスについて理解したことを書き記します。
ちなみに、私が調査したプロダクトの採用言語はJavaでした。
本記事には間違いが含まれる可能性が充分高いので、その点ご了承ください。
勉強で使用した書籍は以下です。
- OSSライセンスの教科書 上田 理 (著) 岩井 久美子 (監修) Amazon リンク
書籍1)によると下記の5項目を全て満たすものが、Open Source Software (OSS) と呼ぶそうです。
頒布(はんぷ)とは、OSSを誰かが誰かに渡すことを指します。具体的な頒布例として、OSSを使用して開発されたアプリケーションをネットで配布したり、OSSを使用した組み込み系の家電製品の販売などが例として挙げられます。OSSを利用するだけなら、ライセンスの中身など気にしなくてよいのですが、使用 (頒布) する場合はライセンスに書かれている条項に従わなければいけません。OSSを頒布した時点で、渡す側、渡された側の双方が、OSSの著作権者が提示したライセンス条項に同意したことになります。
ライセンスとは著作権者の思いを表現し、その著作物の利用許諾を求めようとしている人に対して著作権者が伝える文書です。そこで難しいのが、ライセンスの文言を読むだけではライセンサーの思いを完全に把握できない可能性があり、ライセンサーの開発コミュニティの思いも適切に理解した上で補完する必要があることです。なので、法務・知的財産の専門家でもライセンスを読むだけでは、開発コミュニティーの暗黙の共通認識までカバーしきれず、内容を容易に理解できない可能性があります。ソフトウェア開発者も法律家と協力して、正しくライセンスを読み理解することが推奨されるようです。
また、OSSライセンスは基本的に英語で書かれているので、英語力も必要です。誤訳の恐れがあるものの、法律の専門家でないなら下記サイトの日本語訳はライセンスの理解に参考になりそうです。私は英語が苦手なので、こちらのサイトにかなり助けられました。
OSSライセンスの種類は少なく見積もっても数百通りあるようです。OSSライセンスは大きく分けると、寛容型ライセンスと、互恵型ライセンスに分けることができます。互恵型ライセンスは、改変を加えたものに対しても同様のライセンスの利用許諾を求めることから、コピーレフト型ライセンスとも呼ばれます。
寛容型ライセンス | 互恵型ライセンス | |
---|---|---|
代表的ライセンス | BSD License MIT License Apach License TOPPERS License |
GNU General Public License (GPL) GNU Lesser General Public License (LGPL) Common Development and Distribution License (CDDL) |
頒布に伴うソースコード開示 | ソースコード開示義務なし | 改変した箇所含めてソースコード開示義務あり |
訴訟例 | なし | 数件あり |